【映画感想】鹿の王
はじめに
映画「鹿の王 ユナと約束の旅」は2022年に公開された、上橋菜穂子原作の映像化不可能と言われた小説を、「もののけ姫」や「君の名は。」を手掛けた安藤雅司監督と「千と千尋の神隠し」を手掛けた宮地昌幸監督がタッグを組んで映像化した作品です。
声優に、堤真一さん、竹内涼真さん、杏さんが参加し、様々な運命を抱えた人々が繰り出すファンタジー大作となっています。
公式サイトはこちらです。
この先は多少のネタバレを含みますので、ご注意ください。
あらすじ
かつて敵対するニ国、ツオルとアカファが存在した。
アカファが窮地に立たされると、ある病によってツオル軍は壊滅し、撤退を余儀なくされる。それにより戦争は終わり、アカファをツオルが取り込む形で併国し、平和が続いていた。
しかし、ある日ツオルの死刑囚の監獄が山狼に襲われる事件が発生し、感染症によりその監獄にいたほぼ全員が死亡する。
そんな中、ヴァンという男とユナという女の子だけが生き残る。
ヴァンは寡黙だが、監獄労働で倒れた男を助けるなど優しい一面も見せる。ユナは監獄の世話役の女が連れていた子で、よく笑う可愛らしい女の子だった。
病を逃れたヴァンとユナは、逃げる途中で出会った青年トマとその村へ向かう。
その頃監獄では、感染症の原因を調べているホッサルという医師が、感染症は黒狼熱(ミッツァル)であると断定する。このミッツァルが以前ツァル国に甚大な被害をもたらした感染症であり、ツオルの人々は恐怖する。
ホッサルはヴァンが抗体を持つと考え、ヴァンを生きて連れ戻すようアカファの長老に依頼する。長老は跡追いの能力を持つアカファの女性サエにヴァンを探しに行くよう命じた。
ヴァンはトマの村で鹿の育て方を教えたり、狩りを一緒にすることで、村の人々と絆を深めながら、ユナが懐いていることもあり、次第に心を開いていく。
そんな数日が過ぎたとき、サエがヴァン達を見つけアカファの長老はヴァンを殺しに来るが、その時山狼の大群が押し寄せ、ユナを攫ってしまう。ヴァンはユナを追い、サエはヴァンを追うが2人とも途中でホッサルに止められる。それぞれの想いを抱えながら、ある条件をもとに3人でユナを追いかけることになる。
ユナを追いかける中でそれぞれの立場がありながら、助け合い理解し合っていく。
果たしてユナを助けることはできるのか、黒狼熱の脅威は収まるのか。様々な運命に翻弄される人々の結末はどうなるのか。。。
感想
いろんな方がおっしゃっていますが、かなり「もののけ姫」の要素が強いです。というか、ストーリーはほぼ「もののけ姫」です。笑
ただ、一流俳優陣が声優を担当していることもあり、キャラクターの演技力が非常に高くかなり見入ってしまいました。
ヴァンの暗さ、優しさ、強さ、それぞれの表情と堤真一さんの優しい声がとてもマッチしていて、ユナに心を開いていく過程と、必死にユナを救おうとする姿にとても感動しました。
内容の濃さでいうと、ところどころ端折って映画化されていることもあり、理解が出来ない部分もあります。特に結末近くで、鹿の王になったのはなぜなのか、鹿の王の役割は何なのかが分からず、若干もやっとする部分でした。
映画全体としては、作画が非常に素晴らしいのと、声優の演技力が素晴らしいので、単純にアニメ映画としては好印象です。大作小説を映画化する際にありがちな、内容が薄くなってしまう問題はあったにせよ、素晴らしい映画だと思います。あと10分でも長くして補足が入っていればより高評価になったのかなと思います。
以上、「鹿の王」の感想でした。興味のある方はぜひご覧ください!
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
一押し映画